大阪大学

茨木市,  大阪府 
Japan
http://www.eco.sanken.osaka-u.ac.jp/
  • 小間番号1112

誰でもウェアラブルアクセサリーを開発できる時代へようこそ

《世界トップクラスの性能を持つガスセンサ素子開発のご紹介》
―呼気から健康状態をその場で検診できる機器搭載への期待―

 

  • ガスセンサ素子を従来の1/10以下の時間で作製し、世界最高性能の呼気センサを短時間かつ低コストで製造することに成功
  • 原料溶液を単純に塗って焼くだけで、ひげ状のナノ材料を基板に直接成長させる方法を発見
  • 呼気による健康状態の把握と重大疾患の早期発見に貢献する携帯用呼気センサへの応用に期待

 

【来場される皆さまへ】

 大阪大学産業科学研究所(菅沼研)の菅原徹助教らは、ヘルスケアを目的として呼気に含まれる揮発性有機化合物(VOC)を検出するナノ構造のガスセンサ素子の製造時間を従来の1/10以下まで短縮して作製しました。

 従来の半導体式ガスセンサは、ガス(分子)が半導体材料の結晶表面につくことで、電気抵抗が下がり、ガスを探知します。そのため、ガス(呼気)センサには、ナノ材料の大きな比表面積が必要となり、その製造は一旦、ナノ材料を合成し、それを基板に塗ったあと焼くという複雑な方法を必要としました。

 今回、菅原助教らは、従来の手法を改良し、原料を基板に塗って焼くだけで、ガスセンサを作製することに成功しました。そのセンシング応答特性は、世界中で報告されている研究成果と比較してトップクラスの性能を持ちます。今後、この研究成果を活用することにより、ガスセンサをこれまでより短時間かつ低コストで製造できるようになり、特に呼気による健康検診の研究開発に応用が期待されます。

 今回の展示では、この新技術について、さまざまな企業の技術者様や開発者様から意見やアドバイスをいただき、個別相談をさせていた上で、実用化に向けた共同研究・開発を共に考える機会をいただきたいと思っております。

 

【新技術の概要】

 近年、人間の呼気に含まれる微量な濃度の化合物を検出・検査することで、重大疾患の早期発見、早期治療に繋げる研究が進められている。このような背景の下、低濃度でも確実に検出可能なガスセンサの開発が求められている。一方で、少子高齢化が進む中、ヘルスケア関連機器やそのサービスに要するコストは削減すべき課題と言ってよい。印刷技術を駆使して、電子デバイスを製造する技術は、Printed Electronics(PE)と呼ばれ、プロセスの簡略化、源材料の省資源化などの観点から、インク材料や印刷実装(焼結)技術が世界中で研究開発されている。本研究では、最近、我々が開発した前駆体インクを用いて薄膜ナノ構造のガスセンサデバイス作製し、呼気に含まれる希薄な揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)ガスを検出した。
  MoO3ナノロッドアレイは、ゾル・ゲル法で製膜した。原料のモリブデン酸アンモニウム(H8N2O4Mo)と安定剤のクエン酸(C6H8O7)を所定の化学両論比で秤量し、それぞれの溶媒(ethanol: EtOH, C2H6O; 2-methoxyethanol: 2-ME,  C3H8O2; dimethylformamide, DMF, C3H7NO; dimethyllacetamide, DMAC, C4H9NO)へ混合し、常温で4時間攪拌することで前駆体インクを調整した。得られた前駆体を、SiO2基板に10-50 μl 滴下し、1000 – 3000 rpm で10s 程度スピンコートした後、450 ºCで数分-数十分間焼結し、薄膜試料を得た。得られた薄膜試料は、XRD、FE-SEM、TEM等で製膜状態やナノ構造を分析した。成膜したMoO3ナノロッドアレイに低温焼結銀ペースト塗布し、150 ºCで数十分間乾燥することでガスセンサ素子を作製した。作製したセンサ素子によって、揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)ガスのセンシング特性を2端子法で評価した。
 方法としては、MoO3前駆体インクを基板に塗布し、単純に焼結するだけで、MoO3ナノロッドアレイを作製できる。また、焼結時間や前駆体の分解温度を調整することで、このナノロッドの長さは、10 – 600 nm程度まで制御することが可能である。そして、作製したMoO3ナノロッドアレイを用いて、高温用ガスセンサデバイスを作製した。
 さらに、アセトン、IPA、メタノール、エタノールのVOCガスについてセンサ特性を評価した。具体的には、それぞれのガス投入量を25 – 500 ppmまで調整した際のセンサ特性(相対抵抗値変化)を評価した。このセンサのレスポンスは、20秒程度を示し、CVDなどを利用して作製されたMoO3ガスセンサのレスポンスに匹敵する。また、4種類のガスを分別する良好なガス種選択性を示すことが明らかとなった。センサ特性とナノロッドの微細構造やVOCガスとの反応メカニズムをさらに考察したいと考えている。


 追加情報

初出展/New Exhibitor
Yes
新製品/New Products
Yes
製品展示/Displaying Equipment
No
デモンストレーション/ Product Demonstrations
No
産業・技術分野/ Industries/Technologies
プラスチック/有機/プリンテッドエレクトロニクス/Plastic/organic/flexible electronics, 半導体/Semiconductor