大阪大学 上田研究室

  • 小間番号1235

 当研究室では、従来よりカーボンニュートラル時代の大規模エネルギー源として期待される核融合エネルギーの開発研究を行ってきているが、近年その研究からのスピンオフとして、ヘリウムプラズマプロセス技術を用いて高融点金属材(Mo,W等)の表面に形成したナノ繊維構造の応用分野の開拓を精力的に進めている。ナノ繊維構造は大きな表面積を持つことから、高感度のガスセンサや触媒への応用が期待される。さらに、熱電素子に関連する技術開発を行っている。

 特にガスセンサの分野では、タングステン酸化物(WO3)ナノ繊維構造を利用した水素等のガスセンサの研究を進めている。これまでに、ナノ繊維構造の形成条件等を変化させてセンサを試作し、すでに市販されているセンサより高感度のセンサが実現できることを確認した。今後はさらなる高感度センサを開発するとともに、他のガスへの応用なども視野に入れて研究を進めている。これに加えて、リチウムイオン電極や触媒に適用した場合の特性向上可能性を探るべく研究を進めている。また、熱電素子応用研究では、発電効率を高めるための高密度実装技術開発、及び、温冷触覚提示機器により既存の視聴覚メディアでは難しかった五感へのアプローチを行える新しいコミュニケーションツールの開発を行っている。