東北大学 田中秀治研究室

仙台市青葉区,  宮城県 
Japan
http://www.mems.mech.tohoku.ac.jp/
  • 小間番号1124

高度情報通信、ロボット制御、健康、安全、省エネルギーなどに貢献するマイクロ・ナノシステムの研究開発を行っています。

材料からシステムまで、MEMS・マイクロシステムの研究開発

 MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)は半導体微細加工技術に基づいて作製されるセンサやアクチュエータのことで,圧力センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,マイクロフォン,バンドパスフィルタ,インクジェットプリンタヘッド,プロジェクタ用イメージエンジン,赤外線センサなどとして世の中で広く使われています。皆さんの身近なところでは,スマートフォン,タブレット端末,ゲーム機器,自動車などに,MEMSはキーデバイスとして使われています。LSIが機械の頭脳だとすると,MEMSは感覚器等にあたり,「人間」と「機械」とを繋ぐデバイスとも言えます。

 我々は,MEMSやマイクロ/ナノ技術に関する研究開発で,世界で最も活力のある研究グループの1つとして認められています。これまでに,圧力センサ,加速度センサ,ジャイロセンサ,弾性波フィルタ,マイクロバルブ,世界最小のガスタービン発電機,マイクロ燃料電池,高周波スイッチ,光スキャナ,超小形ロケット推進器,超ロボット用触覚センサ,集積化バイオセンサなどの様々なデバイス,さらにMEMSのパッケージング,微細加工装置,MEMSを組み込んだシステムなども研究開発し,活発な産学連携によって多くの技術を実用化してきました。

 高度な情報通信,自動制御,健康長寿,安心安全,省資源・省エネルギーなどのために,MEMSの必要性は益々高まっています。MEMSの世界市場も大きく成長しています。MEMSはより高度に,より多様になり,我々は,機能性材料を利用したMEMS,集積化回路と一体化したMEMS,ナノテクノロジーによるMEMS,新しいバイオマイクロデバイス,それらのシステム化などの研究開発に,日々,懸命に取り組んでいます。これらの中から,実用化され,世の中の役に立つものがきっと出てくることでしょう。

 田中(秀)研究室(工学研究科,マイクロシステム融合研究開発センター)は,江刺研究室の時代から蓄積された豊富な技術,ノウハウ,文献情報などに基づき,マイクロデバイスに関連する産業界の研究開発を積極的に支援します。当研究室では,研究開発のステージ,顧客企業のMEMS技術に関する経験などに応じて,小片ウェハでの原理実証から4~6インチウェハでの試作まで様々な案件に対応できます。小片ウェハでの原理実証は,主に当研究室のクリーンルームとマイクロ・ナノマシニング研究教育センター(MNC)を利用して,最小限のコストとリスクで行えます。その際,企業から研究員を受け入れ,MEMSの全工程を経験して頂き,帰任後に研究開発のリーダーやキーパーソンとなる研究者・エンジニアを育成します。社会人大学院生として博士の学位を取得することも可能です。4~6インチウェハでの試作は,主にマイクロシステム融合研究開発センター(西澤潤一記念研究センター)を利用して行います。

 本学で試作したデバイス等を一定の条件のもと外販することも可能です。マイクロシステム融合研究開発センターでは,時間あたりの利用料を支払って各装置を単純利用することもできます(試作コインランドリ制度)。しかし,技術ソリューションが明確ではない場合,研究開発課題が挑戦的な場合,あるいは御社に十分な技術やノウハウがない場合には,無用な失敗を避けるためにも共同研究開発パートナーとして当研究室を御検討ください。当研究室は,ウェハレベル・パッケージング,異要素集積化,圧電薄膜などのノウハウを要する技術についても実績を有し,企業内で独自に研究開発するのに比べて結果的に短い時間と低いコストで成果が得られるように,マイクロシステム融合研究開発センターと一体となって支援します。MEMSの技術と事業に関するコンサルティング,企業内プライベートセミナー,電子メールでの技術相談なども行っています。