横浜国立大学 大矢剛嗣 研究室

横浜市保土ヶ谷区,  神奈川県 
Japan
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  • 小間番号1035


本研究室で開発したカーボンナノチューブ(CNT)と紙や糸との複合材である「CNT複合紙/複合糸」等の紹介をいたします。

近年ナノテクノロジー分野で注目されているカーボンナノチューブと、紙や糸との複合材である「カーボンナノチューブ複合紙/複合糸(布)」を紹介します。本複合材料は、日本古来の和紙作製技術や染色技術を応用し非常に簡単に得ることができます。日本に和紙の伝統や繊維工業の歴史があったからこそ生まれた材料ともいえます。本展示では紙/糸(布)でありながらカーボンナノチューブの機能を有する材料を紹介し、エレクトロニクス応用に関するデモンストレーションなども行う予定です。本複合紙/複合糸(布)はまだ研究途上にはありますが、実用化が叶えば「紙/糸でありながらトランジスタとして動作(ペーパートランジスタ、紙トランジスタ,糸トランジスタ)」、「紙/糸でありながら熱電発電素子として動作(熱電発電紙,熱電発電糸)」、「紙でありながら太陽電池として動作(太陽電池紙(ここでは色素増感型太陽電池))」、「紙のヒーター(ペーパーヒーター)」など、これまでにないユニークなものが実現できると考えています。加えて今回は、”紙ならでは”の特徴を生かした「熱源不要な熱電発電素子」も紹介予定です。これは、あたかも植物が蒸散するかのように、紙の熱電発電素子が液体を吸い上げ、それを蒸発させ、気化熱により素子両端で自発的に温度差を生むことで熱電変換をするという「蒸散型熱電発電紙」になります。ぜひ、紙ならではの応用をご覧ください。さらには、複合紙・複合糸の作製過程で偶然生まれた新しいタイプの「CNTヒドロゲル」も紹介します。このゲルは導電性を持ち、ゲル⇔ゾル(液状)を何度でも繰り返し変換できます。再利用可能なタイプのゲルであり、こちらも様々な用途展開が期待されます。ぜひ、一風変わった材料をご覧ください。


 出展製品

  • カーボンナノチューブ複合紙
    カーボンナノチューブと、身近な「紙」との複合材です。 (色の違いは含有CNTの違い)...

  • カーボンナノチューブと、身近な「紙」との複合材です。(色の違いは含有CNTの違い)

    日本伝統の和紙作り(紙漉き)技術をヒントに、非常に簡単に作製可能です。

    出来上がった複合材料は、紙の特性を持ちつつ、CNTの数ある機能を引き継いできます。

    例えば、「半導体紙」「導体紙」等実現が可能で、そこからさらなる応用展開が望めます。

  • 導電紙デモンストレーション
    CNTを含有したことで、紙が導電性を持ちます。...

  • CNTが持つ導電性を引き継いだ複合紙です。導電性があるため、

    回路に組み込んでも問題なく電気が流れます。

  • 熱電発電糸デモンストレーション
    フレキシブルな熱電発電素子(糸)です。 簡単にモジュール化ができ、本デモンストレーションでは約100対を連結してあります。 テーブルと手のひらの温度差(4.2℃)で、7.1mVの起電力を観測しています。...

  • フレキシブルな熱電発電素子(糸)です。
    簡単にモジュール化ができ、本デモンストレーションでは約100対を連結してあります。
    テーブルと手のひらの温度差(4.2℃)で、7.1mVの起電力を観測しています。
  • CNTヒドロゲル
    ゲル化剤や高分子を一切必要としないCNTヒドロゲルです。 CNTの特徴を引き継ぎ、導電性や半導体性を持つゲルとなります。 加えて、液状とゲル状を何度も繰り返すことが可能です。...

  • ゲル化剤や高分子を一切必要としないCNTヒドロゲルです。
    CNTの特徴を引き継ぎ、導電性や半導体性を持つゲルとなります。
    加えて、液状とゲル状を何度も繰り返すことが可能です。