電子線描画装置においては、長時間安定した高電圧による電子線が必要です。そのためには微小放電がゼロでなければなりません。しかし高電圧には放電現象がつきもので、微小放電はどうしても発生してしまいます。クレステックはその微小放電がほとんど発生しない構造の鏡筒
を新たに開発し、長時間安定稼動を実現しました。
130kVの加速電圧は1段加速で生成し、従来の多段加速による電子銃よりも短い構造となっています。この1段加速の設計により、低収差でクーロンぼけの少ない電子光学系が実現しました。結果として、従来よりも大電流で高解像度の描画が可能となったのです。また130kVの
高加速描画は50kVと比べると、レジスト内の電子線の前方散乱が少なく、より微細な加工が可能となります。