パワーデバイスの耐圧評価には、パワー半導体チップに試験電圧(バイアス)を印加するバイアス試験を行います。絶縁を司るゲート絶縁膜等の耐圧性能を評価する場合、通常とは逆向きでコレクタ(C)~エミッタ(E)もしくはドレイン(D)~ソース(S)間にバイアスを設けます。 「電流が流れにくい方向に電圧を加えること」を 「逆バイアス」と定義するため、これを「逆バイアス試験」と呼びます。
逆バイアス試験には、高温下で行う「高温逆バイアス試験」と、高温高湿下で行う「高温高湿逆バイアス試験」があります。いずれの場合でも、高耐圧のパワーデバイスを評価する場合、数百~数千Vもの非常に大きなバイアスを負荷し、なおかつ試験対象となるパワーデバイスの故障状況を検出するため、パワーデバイスに流れる微小電流を精度よく検出する必要があります。
ケミトックスでは「電源」と「微小電流測定器」が一体化した、専用のバイアステスタを用いて逆バイアス試験を行っています。最大の特長は、微小電流の常時モニタを可能としており、試験中のパワーデバイスの故障状況の微細な変化を逃さず検出可能としています。弊社では、最大3,000 Vまで出力可能なバイアステスタを保有しており、特に1,000 V対応のバイアステスタは、160ch保有と国内でもトップクラスの試験能力を有しております。昨今の電気自動車や自動運転システムの開発に伴い、特に厳しい品質基準が要求されており、重要な試験の一つとして位置づけられています。