近年の電子機器における微細化・高度化や自動車の電動化など技術トレンドの変化に伴い電子部品からの発熱密度が拡大してきており、熱対策が製品設計における安全性や信頼性、更には最終製品のパフォーマンス低下、短寿命化等の重要な課題となってきている。しかし、従来の技術ではミクロやナノレベルでの熱物性計測・熱解析が難しいことに加えて、業界構造として材料メーカーと部品メーカーとの間に存在する技術ギャップから、部品メーカーは熱課題に最善な熱制御製品の選択ができず、結果として最善な熱対策が取れていないことで、最終製品の最大パフォーマンスの発揮ができていない。特に半導体業界では、チップの微細化に加えて「先進2次元実装」や更に「3次元実装」の開発競争が加速しているが、放熱対策が最大の課題の一つとなっている。そこで本研究では、今後さらに重要性が増す熱対策に対して、世界最高レベルの3次元ナノスケール熱伝導率計測技術と、独自の配合技術に基づく高熱伝導率放熱シートや封止材の開発について紹介する。