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本研究室では,フォトミキサ技術を基盤とし,6G通信に不可欠な高出力・高機能テラヘルツ波発生器の研究開発を進めています.その結果,従来1mW未満にとどまっていたテラヘルツ波出力を5mW級に飛躍的に向上させることに成功しました.この高出力化により,次世代の高速・大容量通信に必要な安定したテラヘルツ波信号源の実現が可能となっています.
さらに,世界でも数少ない独自のアレーフォトミキサ構造と光位相制御技術を導入することで,リアルタイムでのビーム方向切替を実現しました.これにより,マルチユーザー通信や空間スキャン型センシングなど,通信とセンシングを融合した柔軟な応用が可能な新技術を確立しています.
また,異分野研究者との共同研究を通じて,非破壊検査・材料評価・欠陥検知といった産業応用にも展開しており,テラヘルツ波の高透過性と高分解能を活かした新たな社会的価値の創出に取り組んでいます.
加えて,3Dプリンタによるレンズやグレーティングの試作を行い,光学素子と電子デバイスの一体化を推進しています.これにより,小型・高効率な集積チップの開発にも成功し,テラヘルツ通信モジュールのさらなる小型化・高性能化を実現しました.
本研究の成果は,通信とセンシングを融合したBeyond 6G時代の新しいテラヘルツ応用基盤として,今後の産業・社会インフラの高度化に貢献することが期待されます.
本デバイスは,UTC-PD(Uni-Traveling-Carrier Photodiode)による高速光電変換を利用し,光信号から300GHz帯テラヘルツ波への高効率変換を実現しています.このフォトミキシング技術により,従来のフォトダイオードベースのテラヘルツ波源では困難であった高周波かつ広帯域の発生を可能としています.
さらに,SiC(シリコンカーバイド)基板を採用することで,従来のInP基板と比較して約7倍の熱伝導率を確保し,優れた放熱性能を実現しました.これにより,高出力動作時における温度上昇を効果的に抑制し,長時間安定動作と高信頼性を両立しています.SiC基板の導入は,今後の高出力テラヘルツデバイス開発において重要な技術的ブレークスルーとなっています.