当研究室で取り組んでいる高圧力プラズマを用いた各種半導体基板のダメージフリー加工に関して紹介します。
SiCやGaNにおいては、高硬度高脆性かつ化学的に安定な物性のためシリコン同様の研削研磨加工技術の適用に限界があり、新奇加工法の開発が渇望されています。我々は通常低圧で行われるプラズマエッチングの動作圧力を数kPa以上に高圧化することで中性ラジカル密度を増加させ、例えば2インチのSiCにおいて15μm/minという高能率加工を実現しました。加工原理は純化学的であるためマイクロクラック等の導入はなく、高能率であるだけでなく、最終製品の信頼性向上にも有効と考えられます。
また、昨今シリコンウエハ等の基板の厚さ均一性がさらに重要となってきています。従来より、事前に高精度に計測された厚さ分布に基づき局所加工ヘッドの滞在時間制御を行い修正加工を行う方法が幾種類が実用化されていますが、局所加工ヘッドによるウエハ全面走査には時間を要し、高スループット化が普及の鍵となっていました。我々は前述の高圧力プラズマエッチング技術において、プラズマを時間的空間的に任意にON/OFFする制御技術を考案・開発しています。この方法が実現すれば、全面一括型の全く新しい数値制御加工が可能となり、ウエハの高精度化による先端デバイスの歩留まり向上が期待されます。