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島根大学 藤田・吉田研究室

  • 小間番号7906


革新的な半導体ナノ粒子塗布プロセスによるZnOナノ粒子塗布型LED・TFTとMOCVDによるZnO薄膜技術を紹介します.

内部が単結晶である半導体ナノ粒子塗布膜は,単結晶に近い特性を示します.ここで紹介する酸化亜鉛ナノ粒子は大気中での塗布という簡易なプロセスでデバイスの作製が可能です.本出展ではこのまったく新しい半導体プロセスで作製した酸化亜鉛ナノ粒子塗布型LEDとTFTについて紹介します.また,事業化に進展したMOCVDによる酸化亜鉛薄膜の成長技術や半導体のナノ構造を応用した音響クリスタル・メタマテリアルについて紹介します。


 プレスリリース

  • 初日に行われましたアカデミアAward二次審査にて「優秀賞」を受賞致しました。ZnOナノ粒子層を用いた電子デバイスのサセテナビリティを加速する技術を紹介しています。複雑化する半導体プロセスとは趣を変え、シンプルなプロセスで半導体薄膜(粒子層)を形成し、LEDおよびTFTを作製しました(展示品あり)。他、音響メタ構造による音波制御、MOCVDによる酸化亜鉛薄膜な、研究室だけでなく大学発ベンチャーの取り組みについても紹介しています。

 出展製品

  • 酸化亜鉛ナノ粒子塗布型発光ダイオード
    酸化亜鉛(ZnO)ナノ粒子を塗布することにより単結晶基板を用いない超安価な発光ダイオードを開発しました.照明装置やディスプレイなど窒化ガリウム系の発光ダイオードに代る様々な応用への展開が期待できます....

  • 島根大学では、減圧空気中でアーク放電により亜鉛を蒸発させるガス中蒸発法により窒素ドープ酸化亜鉛ナノ粒子を生成することに成功しました。この粒子はこれまで酸化亜鉛で困難にであった安定なp型伝導を実現し、これをn型酸化亜鉛上に塗布することにより近紫外域の発光ダイオードができることがわかりました。このナノ粒子塗布型LEDは、酸化物を用いるために高度な真空プロセスが不要で大気中で塗布することが可能です。また、単結晶を用いる必要がなく、超安価な発光ダイオードを実現できます。更に近紫外域での発光を示すため、蛍光体を組み合わせて白色発光やRGB発光が可能で、大面積な照明装置やマイクロサイズのディスプレイの画素への応用が期待されます。
  • 半導体ナノ粒子層のTFT
    半導体ナノ粒子を用いた塗布型TFTを開発しています。ディスプレイの低コスト化と大型化や,LSI、センサー、太陽電池など各種半導体デバイスを作り込む基材選択肢の飛躍的な拡大を達成します。...

  • 本研究は,半導体薄膜層の代わりに半導体ナノ粒子層を使うことで,従来の半導体薄膜作製技術では作ることができない様々な場所(基板の材料や表面形状)にも,半導体薄膜として機能する層を形成し,ディスプレイ・太陽電池・センサーをはじめとした広範囲な分野に応用することを目的としています。すでにZnOナノ粒子層を用い,n型とp型のTFT動作を実証しました。現在,寄生抵抗の低減を狙っていますが,その過程でZnOナノ粒子への熱拡散型ドーピングが可能であることを見 出しました。ナノ粒子が持つ可能性を半導体デバイスへ組み入れることで,新しい発見を探求します。
  • MOCVDによる酸化亜鉛薄膜
    酸化亜鉛薄膜成長用の有機金属気相成長法(MOCVD)を用いて酸化亜鉛薄膜の研究を行っています。高品質な単結晶薄膜の成長が可能で、大学発ベンチャーによる製品化も実現しています。...

  • 島根大学では、JST育成研究により酸化亜鉛薄膜成長用MOCVD装置の開発を行い、MBEを上回る高品質な無添加酸化亜鉛単結晶薄膜の成長に成功しました。この装置を用いい窒素ドープMgZnOの成長を行いMOCVDでは世界で初めての近紫外域シングルヘテロLEDの作製に成功しています。また、ガリウムドープを行い低抵抗な透明導電膜や微弱光の検出に適した高速蛍光体の作製も可能です。これらの技術は島根大学発ベンチャー・株式会社S-Nanotech Co-Creationを通して事業化に進展しており、MOCVDによって製膜したエピタキシャル薄膜の製品化を実現しました。

    https://sncc.co.jp/

  • 音響クリスタルとメタマテリアル
    バンドギャップを形成する半導体の結晶格子の原理を応用した音響クリスタルや音響メタマテリアルの技術を紹介します....

  • 半導体の周期的な結晶格子の中で電子の波は複数のエネルギー帯域を持ったバンドに存在でき,バンド間に電子が存在しないバンドギャップが生じます.同じように音波も周期的な結晶(音響クリスタル)の中でバンドギャップが形成され光や風を通す格子でも,特定の周波数帯の音波を遮断することが可能となります.また,音響メタマテリアルでは周期的な構造を使い,これまでの音響理論(質量則)に当てはめると質量がマイナスになるような構造の設計が可能となり軽い物質で低周波域の遮音が可能になます.これらの技術は工場の騒音防止などに応用できます.