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本研究室で開発したカーボンナノチューブ(CNT)と紙や糸との複合材である「CNT複合紙/複合糸」等の紹介をいたします。
近年ナノテクノロジー分野で注目されているカーボンナノチューブと、紙や糸との複合材である「カーボンナノチューブ複合紙/複合糸(布)」を紹介します。本複合材料は、日本古来の和紙作製技術や染色技術を応用し非常に簡単に得ることができます。日本に和紙の伝統や繊維工業の歴史があったからこそ生まれた材料ともいえます。本展示では紙/糸(布)でありながらカーボンナノチューブの機能を有する材料を紹介し、エレクトロニクス応用に関するデモンストレーションなども行う予定です。本複合紙/複合糸(布)はまだ研究途上にはありますが、実用化が叶えば「紙/糸でありながらトランジスタとして動作(ペーパートランジスタ、紙トランジスタ,糸トランジスタ)」、「紙/糸でありながら熱電発電素子として動作(熱電発電紙,熱電発電糸)」、「紙でありながら太陽電池として動作(太陽電池紙(ここでは色素増感型太陽電池))」、「紙のヒーター(ペーパーヒーター)」など、これまでにないユニークなものが実現できると考えています。また、今回も、”紙ならでは”の特徴を生かした「熱源不要な熱電発電素子」も紹介予定です。これは、あたかも植物が蒸散するかのように、紙の熱電発電素子が液体を吸い上げ、それを蒸発させ、気化熱により素子両端で自発的に温度差を生むことで熱電変換をするという「蒸散型熱電発電紙」になります。ぜひ、紙ならではの応用をご覧ください。さらには、複合紙・複合糸の作製過程で偶然生まれた新しいタイプの「CNTヒドロゲル」も紹介します。このゲルは導電性を持ち、ゲル⇔ゾル(液状)を何度でも繰り返し変換できます。再利用可能なタイプのゲルであり、こちらも様々な用途展開が期待されます。ぜひ、一風変わった材料をご覧ください。
カーボンナノチューブ(CNT)と紙からなる「CNT複合紙」です。 紙に含浸させるというのではなく、日本伝統の和紙作り(紙漉き)手法に学び、 紙漉きプロセスの段階でCNTを含有させるとことで 紙中に均一にCNTが導入されたものになっています。
使用するCNTにより、導電的なCNT複合紙や半導体的なCNT複合紙の実現も可能で、 それらを組み合わせることで、様々な応用展開が見込まれます。
また、紙に限らず、日本が誇る染色技術を応用することで CNT複合糸や複合布の作製も容易にできます。