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東京理科大学 河原研究室

  • 小間番号7651


物理世界のアナログ情報と、クラウド等のデジタルビットの情報とを、AIも活用して賢くつなぐ技術の拡張・深堀を進めています。

人工知能システム、スピントロニクス、量子コンピュータ
・建物ヘルスモニタリングにおける欠損位置特定と汎化性能の比較検討
・誤差拡散丸めによるイジングマシンの精度向上とリソース削減
・ハイゼンベルグモデルを応用した並列アニーリングの実現
・多変量時系列予測を行うAIモデルの改良
・スピントロニクスの量子コンピュータへの応用
・NISQの機械学習への応用


 プレスリリース

  • 研究の要旨とポイント (ウエブページへ)

    • エッジでの“学習機能”を備えた人工知能の実現に向け、エッジでの演算の回路規模、消費電力を可能な限り抑えることが求められており、そのためには、重み及び活性化値を2値で扱うBinarized neural network (BNN) の適用が必須となります。
    • しかし、従来のBNNでは、推論時は重み及び活性化値を2値とできるものの、学習時はいずれも実数なので、ほとんどの計算が実数計算となるため、BNNによる人工知能の“学習機能”をエッジ側に持たせることは難しいという課題がありました。
    • 今回、学習時に利用する勾配に3値を採用して重みの更新は2値のまま行えるBNNである三値勾配二値化ニューラルネットワーク(TGBNN: Ternary gradients binarized neural network)を提案し、スピントロニクス技術を活用したMRAMアレイを用いることで、TGBNN実現に先鞭をつけました。
    • 本手法を適用することで、学習機能を備えたままBNNをエッジでも実現することが可能になると期待されます。

 出展製品

  • 22nm CMOSチップを用いたスケーラブルな全結合型半導体イジングプロセッシングシステム
    全結合型イジング半導体システムの大規模化実現に向けて、複数のLSIチップを用いたスケーラブル化技術の実機検証に成功し、大容量化にめどをつけました。 22nm CMOS演算LSIチップ36個+制御FPGA1個を用いて、4,096スピン搭載のスケーラブル全結合型イジングプロセッシングシステムを実現しました。 PCでの全結合イジングシステムを模したアニーリングエミュレーションと比較して、2,306 倍、コア部同士(CPUと演算チップ)での比較では2,186 倍の電力性能比を達成しました。...

  • 22nm CMOSチップを用いたスケーラブルな全結合型半導体イジングプロセッシングシステム

    今回、22nm CMOS技術で作成した演算LSIチップ36個と制御用のFPGA1個を用いて、4,096スピンを持つスケーラブル全結合型イジングプロセッサを実現しました。このシステムでは、従来方式よりも必要チップ数を約半減できる相互作用半減実装方式を考案しました。また、スピンスレッド(あたかも複数回の動作を一度に行うことができる)を8個搭載しているため、1回のデータの出し入れで8回分の計算が1度にできます。なお、相互作用半減実装方式およびスピンスレッドは、いずれも本学の独自技術です。

    このシステムは10Mhzで動作し、ボード全体の電力は2.9Wでした。このうち、22nm CMOS演算LSIチップ36個の電力は1.3Wでした。

    例題として、4096頂点の頂点被覆問題を開発した実機で解いたところ、3.6GHz動作のCPUを持つPCで全結合イジングシステムを模したアニーリングエミュレーションよりも、2,306倍もエネルギー効率が高い性能となりました。コア部同士(CPUと演算チップ)での比較は2,186倍の電力性能比を達成しました。また、本システムはスピンスレッドを用いた8並列ですので、高精度な探索が可能となります。