メカトロニクス制御を数理最適化で究める:半導体製造装置の位置決め制御・温度制御・流体制御への水平展開
古関・大西研究室について
「メカトロニクス制御を数理最適化で究める」というテーマの研究をしている弊研究室では、モータ設計、モータドライバ・空圧バルブ制御設計、システム同定、フィードバック制御器設計、フィードフォワード制御器設計、学習制御器設計、と物理層から情報層までの制御理論・設計理論を一気通貫で研究開発し、産学連携によって半導体製造の前工程・後工程の様々な制御対象に水平展開をしています。
基本理念は「物理レイヤと情報レイヤの時間高粒度結合」(フィールドバス通信で実現)したうえで,「未来の目標値から先読みして制御量を動かす」ことにより,因果律を超克し,指令値に遅れなく高速追従をする制御系を設計します。
そのためのデータとモデルを繋ぐ,周波数領域システム同定による正確なモデル化によるフィードフォワード制御,および再現する誤差の現象は学習制御で補償をします。そのような制御を実現するための足回り,すなわちモータの最適設計,モータドライバの電流制御設計,高速高精度応答バルブの開発,も行っています。
この制御系設計哲学を,モータ制御・温度制御・流体制御へ水平展開し,前工程・後工程・実装工程の様々な企業との共同研究を通じて,制御性能とロバスト性の両立を追求します。
半導体製造関連の研究内容について
産学連携で実寸台のプロトタイプ装置,あるいはスケールモデルへの実機実証をして,制御性能の向上を数字で実現することにこだわっています。制御系設計の試行錯誤を廃し,データ駆動による自動設計で,かつ学習制御により因果律を超克する遅れのない制御を実現します。
1. 半導体熱処理成膜装置の高速高制度温度制御
- バッチ式熱処理成膜装置へのヒータ・クーラ統合・多ゾーン制御による高速高精度・省エネ制御[IEEE論文誌掲載]
- 枚葉式熱処理成膜装置への反復学習制御によるウェハローディング外乱の完全抑圧
2. オプトメカトロニクス統合設計によるガラスインターポーザ向け先端パッケージング装置の開発
3. 市場製品の20倍高速応答を実現する流量制御バルブの開発と,除振台への展開
4. コア付きリニアモータのFPD露光装置マスクステージの開発とプレートステージの制御系設計[IEEE論文誌掲載]
MATLAB/Simulink, EtherCATと連携した,Rapid Control Prototypingにも力を入れています。 気になる方は,当研究室のブースまでお越しください。
お待ちしております。